アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティでは、2つの異なる場面で、関西弁をどう翻訳するかを考えます。
関西弁を学びながら、読み手に応じた翻訳の方法についても考えられる活動になっています。
概要
目標 |
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学生の日本語力 |
初級後半(A2)以上 |
その他の言語力 |
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所要時間 | 2時間 |
おすすめクラス | 大学生・成年向けの語学クラスで、考えさせるタスクとして取り入れるのがおすすめ。 |
手順
ロードマップ
1.事前準備
- 関西弁の入ったドラマ、漫画、小説を準備します。学生の興味やレベルに合わせて、使用する箇所を決めます。
関西弁の入っているドラマ・漫画の例として以下のものがあります。
- 【ドラマ】『半沢直樹』第2話「上司の濡れ衣を振り払え!悪者に倍返し」
- 【漫画】『名探偵コナン』 第10巻 「File 2 西の名探偵」(服部平次登場場面)
- 【小説】『阪急電車(有吉浩(著))』
2. 関西弁の紹介
- 【教師】国際交流基金のサイト『方言(関西弁)に触れる』を参考に、関西弁について簡単に導入します。
3. タスクの提示
【教師】選んだドラマ・漫画等について、学生にその内容を簡単に説明します。
【教師】事前に選んだ箇所を配布して、意味を確認します。
※ドラマの場合は、選んだ場面を視聴し、学生にその場面のスクリプトを配布します。
- 【教師】以下のタスクを提示します。
あなたは2つの状況で翻訳を考えてください。
①あなたはプロの翻訳者です。自分の知っている国・地域で作品を販売するために翻訳します。
②あなたはその作品のファンです。日本語がわからない友達に、今回の場面を翻訳して作品を紹介します。
4. ディスカッション
- 【学生】まず、一人でどう翻訳するか考えます。
- 【教師】ペアでそれぞれの翻訳を比べさせ、いくつかのペアにクラスで発表してもらいます。
- 【教師】以下の点を考えながら、ペアで話し合い、いくつかのペアに発表してもらいます。
- 関西弁をどうやって翻訳しますか
- ①と②の場面で、翻訳を変えますか。変えませんか。どうしてですか。
5. 宿題
- 【教師】同じドラマ・漫画等の別の場面の抜粋を渡します。クラスで使用した同じタスクを与え、翻訳とコメンタリーの提出を宿題とします。
※翻訳するだけでなく、自分がそのように答えた理由も書きます。翻訳だけでなく理由も書かせることで、ことばの選択について考えさせることができます。
参考文献
- 国際交流基金(2011)『日本語教育通信 授業のヒント 方言(関西弁)に触れる』https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/tsushin/hint/201107.html(アクセス日:2024年9月24日)
- Lee, V., & Gyogi, E. (2020). Translation for multiliteracies: case studies of EFL and JFL classrooms. Pedagogies: An International Journal, 17(2), 103–118. https://doi.org/10.1080/1554480X.2020.1826948
こんな先生・活動にお勧めです!
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関西弁を通して日本語の多様性に授業で触れることができます。
また、関西弁を翻訳することで、自分の知っていることばで関西弁に似ている方言があるかを考えることもできます。2つの異なる読み手に翻訳することで、ことば選びを意識する練習にもなります。