複言語で自分自身についての詩を書こう

アクティビティのねらい・概要

ねらい

このアクティビティでは、複言語で自分自身を表現する詩を書きます。

概要

目標
  • どう複数の言語を使って自分のアイデンティティを表現するかを考える。
  • 自分の詩がどのように受けとめられるかを知る。
学生の日本語力 中級(B1)以上
その他の言語力
  • 英語・フランス語・スペイン語の2つ以上の知識があることが望ましい。
  • 教師は学生が母語等で書いたものが読めて理解できることが望ましいが必須ではない(話せなくてOK)。
  • 学生は他の学生の書いたものが読めて理解できることが望ましいが必須ではない(話せなくてOK)。
所要時間 1時間
おすすめクラス 自らのアイデンティティについて考えてもらいたいときにおすすめ。

手順

ロードマップ

1.ウォームアップ

  • 【教師】以下の質問について考えさせます。口頭でも、紙に書いてもかまいません。
    • 自分のアイデンティティを表現する単語をいくつか言ってください。どの言語の単語でもいいです。
    • 自分のアイデンティティに影響を与えた出来事や影響を与えた人を教えてください。
    • 使っている言語によって、自分のアイデンティティは変わると思いますか。
    • 日本語や他の言語を使っているときに、本来の自分と違うと感じたことはありますか。

2. アイデンティティの詩を読む

  • 【学生】Miguel Giovanni Sánchez LunaのI Walk through Wordsを視聴して、以下の質問を考えます。
    • この詩はどの言語が使われていますか。
    • 何についての詩だと思いますか。
    • 複数の言語を別々に使っていますか、それとも混ぜていますか。どうしてそのように使っていると思いますか。
    • 画像で印象に残ったものは何ですか。文と画像のつながりについてはどう思いますか。
    • どんな音楽が使われていますか。音楽は聞き手・視聴者にどのような影響を与えますか。
    • もしこの詩が一言語だけで書かれていたら、印象はどう変わりますか。

この詩は英語・フランス語・スペイン語を混ぜて記載されています。

クラス全員が内容がわからないという場合、詩の冒頭部分を使って、この詩の面白さを以下のように簡単に説明できます。

  • I walk…(私は歩く=英語)
  • Le vent… Le touché…La mer…(風、手触り、海=フランス語)
    Solitude is a good companion.(孤独はいい仲間=英語)
    On l’apprécie (その重要性を知る=フランス語)con los años.(年とともに=スペイン語)※1文に2つの言語が使われています。
  • It invites you to your deepest thoughts.(それはあなたを最も深い思考へと導く=英語)
    ¿but how to express them with words? (でもどうやってその思考をことばで表現する?=英語)※スペイン語の逆疑問符も使っています。

3. 創作する

  • 【学生】自分のアイデンティティを表現する単語を複数の言語で考え、書き出します。
  • 【学生】自分たちの育ってきた環境や使っている言語がどのように自分たちのアイデンティティを作ってきたかを考えます。先ほどの単語を使って、いくつかの文を書き出し、短い複言語の詩を作ります。
  • 【学生】無料のイラストや写真を探して、自分の詩にマッチする画像を選びます。

4. 共有する

  • 【学生】詩ができたら、クラスで共有します。朗読し合ったり、コメントを言い合います。

参考文献

こんな先生・活動にお勧めです!
E

複言語での学生の創造力を育みたいときや、学生に複言語話者として意識を持ってもらいたいときに、おすすめの活動です。
母語が多様なクラスで実施することで、他の言語への興味も育むことができます。