自分の地域の美術館を日本語で紹介しよう

アクティビティのねらい・概要

ねらい

このアクティビティは、自分の居住する地域の美術館の情報を母語等で集め、情報を整理した上で、日本語でメールを書いて紹介するという活動です。

概要

目標
  • 複数の美術館の情報を母語等で集めて、情報を整理できる。
  • 美術館の魅力を日本語で伝えられる。
  • 日本語で適切なメールを書ける
学生の日本語力 中級(B2)以上
その他の言語力

中級後半(B2)レベルの媒介語力が必要

所要時間 2時間
おすすめクラス 日本国外の日本語クラスで実施するのがおすすめ

手順

ロードマップ

1.タスクの紹介

  • 【教師】以下のタスクを提示します。

日本人の観光客グループが、自分の住む地域に旅行に来て、複数の美術館を訪問する予定です。旅行会社に代わって、観光客グループのリーダーに日本語でメールを書いて、おすすめの美術館を提案してください。

2. 情報収集・整理

  • 【学生】3~4人のグループになり、インターネットで自分の地域の美術館の情報を母語等で集めます。おすすめの美術館を3~4つ選びます。
  • 【学生】作業を分担し、各学生が担当の美術館について、美術館の魅力やその他観光に必要な情報(アクセス方法、開館時間)をメモします。
    ※教師がワークシートを作成し、メモする項目を事前に決めておくことも可能です。
  • 【教師】クラス全体で各グループが選んだ美術館とその理由を簡単に共有します。

3. メールを書く

  • 【教師】メール例を提示します。
    ※メール例に加えて、メールや観光で使用される語彙・表現リストを追加することも可能です。

件名: 美術館訪問のおすすめ案内

○○様

いつもお世話になっております。旅行会社の代表、△△です。

皆様が、〇〇月に〇〇市を訪れて、美術館を訪れる予定と伺いました。おすすめの美術館をいくつかご紹介します。

(1)
□□美術館  □□美術館は、地元のアーティストの作品を展示しています。その美しい風景や独特の雰囲気が魅力です。特に、日本のお客様に人気です。
開館時間: 午前9時から午後5時(月曜日は定休日)
アクセス: 電車でのアクセスが便利で、最寄り駅の〇〇から徒歩10分です。また、バスでも行くことができます。


(2)
△△美術館  △△美術館は、現代アートで有名な美術館です。日本のアーティストの作品も展示しています。国際的な視点からアートを楽しむことができます。
開館時間: 午前10時から午後6時(火曜日を除く)
アクセス: 〇〇駅から徒歩15分です。タクシーも利用できますので、便利です。


(3)
▽▽美術館  ▽▽美術館は、歴史的な建物の中にあり、絵画や彫刻などが展示されています。〇〇市の歴史や文化に興味をお持ちの方にはおすすめです。
開館時間: 午前10時から午後4時(水曜日は午後2時まで)
アクセス: 市内中心部に位置しており、地下鉄でアクセスできます。最寄り駅の〇〇からは徒歩5分です。

以上、いくつかのおすすめの美術館をご紹介しました。どの美術館も日本からの観光客の皆様に楽しんでいただけると思います。

何かご質問やご要望がございましたら、お気軽にお知らせください。

今後ともよろしくお願いいたします。

△△

  • 【学生】メール例を参考にしながら、グループでメールを書きます。
  • 【教師】学生のメールの日本語をチェックします。
  • 【学生】他のグループのメールを読んで、良いと思ったところを共有します。

参考文献

  • Biedermann, A. (2014). La médiation linguistique dans un contexte d’enseignement des langues étrangères [Linguistic mediation in a foreign language teaching context]. Synergies Chili, 10, 83–91, Gerflint. https://gerflint.fr/Base/Chili10/biedermann.pdf
  • North, B. (2021). Plurilingual mediation in the classroom: Examples from practice. In Piccardo, E., Germain-Rutherford, A., & Lawrence, G. (Eds.). The Routledge Handbook of Plurilingual Language Education (pp. 319-336). Routledge.

こんな先生・活動にお勧めです!
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母語等を使って情報を集め、それを整理して日本語で伝える活動を通して、仲介する力を育むことができます。
日本国外で日本語を学ぶ学生に導入しやすい活動になっています。タスクを変更することで日本国内の学生にも導入可能です。