アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティは、各自が翻訳を繰り返しながら伝言ゲームをすることで、元の原文とどう離れていくかを体験する活動です。
なぜそのように変化したのかを振り返ることによって、言語の比較や翻訳の問題に意識を向けることもできます。
概要
目標 |
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学生の日本語力 | 初級(A1)以上 |
その他の言語力 | 中級(B1)以上の媒介語力が必要 |
所要時間 | 10分 |
おすすめクラス | アイスブレイキングやウォームアップでおすすめ |
手順
1.事前準備
- 【教師】伝言ゲームで使用する日本語の文を準備しておきます。
文は以下のようなものが考えられます
- クラスで扱う/過去に扱ったことのある読み物の文
- 今後クラスで取り上げたい文型・語彙が入った文
- ニュースや歌、スピーチなどの文
※短すぎると、伝言が簡単になってしまいます。レベルに合わせつつも、ある程度長い文が望ましいです。
2. 伝言ゲーム
- 【教師】一人の学生に事前に準備してきた日本語の文をささやきます。
- 【学生】その学生は、日本語文を英語(又はその他の媒介語)に翻訳して、2人目の学生に伝えます。2人目の学生は、その英語(又はその他の媒介語)の文を日本語に翻訳して、3人目の学生に伝えます。3人目の学生は、その日本語文を英語(又はその他の媒介語)に翻訳して4人目の学生に伝えます。これを繰り返します。
※10人ほどだと一つのグループでいいでしょう。それ以上の場合は、複数のグループを作ります。
- 【学生】最後の学生は、自分の聞いた文をクラス全体に伝えます。最初の文と同じであるという可能性は低く、ずいぶん文が変わっていると考えられます。
3. 振り返り
- 【教師】学生に、自分が聞いた文はどんな文だったかを尋ねます。そして、どこで、どう文が変わっていったのかを考えます。自分たちが直面した言語(文法・語彙など)や翻訳の問題について話し合います。
参考文献
- Kerr, P. (2014). Translation and own-language activities. Cambridge University Press. p. 77.
こんな先生・活動にお勧めです!
E
伝言ゲームはアイスブレイキングでもよく使われる活動です。例文や語彙を調節することによって、どのレベルでも実施可能です。
翻訳を繰り返しながら伝言ゲームをすることで、クラスでコミュニケーションをとりながら、翻訳や言語の問題についても考えられることができます。
クラスで少し時間の余ったときや、ウォームアップ・アイスブレイキングとして使うのがおすすめです。