アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティでは、複数の場面での自分のコミュニケーションスタイルについて振り返ります。言語や場面によるコミュニケーションスタイルの違いを考えることができます。
概要
| 目標 |
|
| 学生の日本語力 | 中級(B1以上) |
| その他の言語力 |
中級後半(B2)以上の媒介語が必要 |
| 所要時間 | 1時間 |
| おすすめクラス | 母語や文化背景が多様なクラスでやるのがおすすめ。 |
手順
ロードマップ

1.ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化の紹介
- 【教師】アメリカの人類学者のエドワード・T・ホールが提唱したハイコンテクスト文化、ローコンテクスト文化について簡単に紹介します。

ハイコンテクスト文化 (High-Context Culture)
- 言葉以外の「文脈(context)」「非言語的要素(non-verbal cues)」「暗黙の了解(implicit understanding)」で意味が伝わる文化
- 「間接的」な表現を好む
- 相手との関係性や場の空気が重要
ローコンテクスト文化 (Low-Context Culture)
- 言葉で伝えあう文化
- 誰にでも理解できるよう「明確(clearly)」「直接的」に伝えることが重視される
※その際に、コミュニケーションスタイルは個人によって差があることを必ず伝えます。
2. 3つの場面での比較
- 【教師】以下の場面で、日本語でどちらの表現をより使うか考えます。
※どちらが自分のコミュニケーションスタイルに近いかを、直観的に選んでもらうようにします。
【①映画の誘い】

【②プレゼント】

【③クラスのディスカッション】

- 【教師】学生の意見をまとめます。また、(1) 誰と話すか、(2) どんな状況で話すかによって、コミュニケーションスタイルは変わることを伝えます。
- 【学生】以下についてペアまたはグループで話し合います。
- 母語など他の言語で話すときにも、同じコミュニケーションスタイルですか。言語によってコミュニケーションスタイルは変わりますか。
- 上記の場面で、「直接的」な表現をより選んだ学生は、(1)誰と、(2) どんな状況だったら間接的なコミュニケーションスタイルになりますか。
- 上記の場面で、「間接的」な表現をより選んだ学生は、(1) 誰と、(2) どんな状況だったら直接的なコミュニケーションスタイルになりますか。
- 【教師】学生の意見をまとめます。
3. ロールプレイ
- 【教師】ロールカードAとBを配り、以下の設定でロールプレイをします。
週末、遊びに行くことにしました。行き先と交通手段、予算を決めてください。
【ロールカードA】直接的コミュニケーション
☆はっきり意見を言って、相手を説得させてください。
あなたはカラオケに行きたいです。
できれば夜がいいです。
お金は少し高くてもかまいません。
【ロールカードB】間接的コミュニケーション
☆間接的に意見を言って、自分の条件を通してください。
あなたは公園でピクニックをしたいです。
できれば昼がいいです。
あまりお金を使いたくありません。
- 【学生】ロールプレイをします。一度終わったら、ロールカードを交替して、もう一度ロールプレイをします。
- 【学生】いくつかのペアがクラスの前で発表します。
- 【学生】異なるコミュニケーションスタイルを使うことで、どう感じたかを振り返り、話し合います。
参考文献
- Galante, A. (2017). Breaking the invisible wall. Task 6 High and low communication styles
こんな先生・活動にお勧めです!

自分のコミュニケーションスタイルについて振り返るアクティビティです。言語によって、どのようにコミュニケーションが変わるか(変わらないか)を振り返り、クラスメートと共有することで、コミュニケーションスタイルの違いについても意識することができます。