アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティでは、洋画のタイトルと邦題の比較を通して、言語間の違いや、翻訳の楽しさ・難しさについて考えます。
概要
目標 |
|
学生の日本語力 | 中級(B1)以上 |
その他の言語力 |
映画タイトルが読めて理解できるレベル(話せなくてOK) |
所要時間 |
1時間 |
おすすめクラス | 映画・ドラマ好きの学生が多いクラスで取り入れるのがおすすめ! |
手順
1.事前準備
- 【教師】ハンドアウトを準備します。ハンドアウトでは、10個ほどの洋画の原題と邦題を、下記のようにバラバラに並べておきます。
洋画タイトル | 邦題 |
---|---|
1. Breakfast at Tiffany’s | a. 危険な関係 |
2. Gone with the Wind | b. サウンド・オブ・ミュージック |
3. North by Northwest | c. ショート・カッツ |
4. Dangerous Liaisons | d. 愛と哀しみの果て |
5. Short Cuts | e. 裏窓 |
6. Three Men and a Baby | f. 風と共に去りぬ |
7. Out of Africa | g. 北北西に進路を取れ |
8. The Sound of Music | h. ティファニーで朝食を |
9. Rear Window | i. スリーメン&ベビー |
学生の興味や母語によって、使用する映画タイトルを変えることも可能です。例えば、中国語が媒介語として使われているクラスの場合、中国語の映画のタイトルと日本語のタイトルを比較できます。
2. 映画タイトルのマッチング
- 【教師】洋画の原題と邦題がバラバラに並べてあるハンドアウトを学生に配り、正しい組み合わせを選ばせます。
- 【学生】原題と邦題を見比べながら、マッチングします。ペアやグループで話し合いながらやることも可能です。
- 【教師】以下のようなトピックについて、クラスでディスカッションをします。ペア・グループで話し合ってから、クラスで共有という形もいいでしょう。
- 翻訳された邦題は魅力的だと思いますか。
- 自分ならこのようにするなど意見はありますか。
- 「危険な関係」のように日本語に翻訳した邦題と、「スリーメン&ベビー」のようにカタカナでそのまま書いている邦題があります。それぞれ邦題のいい点と悪い点を考えましょう。
- 自分の知っている他の言語では、これらの映画のタイトルはどのように翻訳されていますか。
- 今まで見た映画・ドラマの邦題について、面白いと思った例がありますか。
母語が多様なクラスの場合は、母語ではどういうタイトルに翻訳されているかを聞いて、様々な言語のタイトルを比較してもいいでしょう。
- 【教師】クラスをまとめます。その際に、過去に、邦題で話題になったものをいくつか紹介してもいいでしょう。
過去に邦題で話題になったものの例として、以下があります。
- 『ドリーム』(原題:Hidden Figures)(2016年)
当初は『ドリーム 私たちのアポロ計画』だった。ただ、この映画は、「アポロ計画」ではなく、アメリカ初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」を題材にしている映画だったため、批判を受け、『ドリーム』に改題した。当初『アポロ計画』だったのは、日本で宇宙開発のイメージを連想しやすいと考えたためであった。
- 『リメンバー・ミー』(原題:Coco)(2018年)
メキシコの祝日「死者の日」を題材にした、ピクサー・アニメーションの長編作品。原題は「Coco」だったが、邦題は作中の楽曲「リメンバー・ミー」になった。原題とは違うものの、作品のテーマを伝えている邦題として、好意的に受け止められた。
3. 任意のアクティビティ
- 時間があれば、日本語の映画の原題と英題で、同じようなアクティビティをすることもできます。
参考文献
- Carreres, Á., Noriega-Sánchez, M., & Calduch, C. (2018). Mundos en palabras: Learning advanced Spanish through translation. Routledge.
こんな先生・活動にお勧めです!
E
少し時間のあるときに、取り入れるのがおすすめです。
特に、映画が好きな学生が多い場合、話も盛り上がると思います。