アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティでは日本の映画に学生の母語で翻訳してみて実際の吹き替え版と比較します。
映画という身近なリソースを使って気軽に翻訳に挑戦することができます。
概要
目標 |
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学生の日本語力 | 中級前半(B1)以上 |
その他の言語力 |
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所要時間 | 25分~(使用する部分の長さ・難易度で調整可能) |
おすすめクラス | 共通の母語を持つ学生が多いクラスで実施するのがおすすめ! |
手順
ロードマップ
1.事前準備
- 【教師】学生の興味をひく映画を一本選びます。(日本語と学生の母語での吹き替え版があるもの)
※使用部分は2~3分ほどがよいですが学生のレベル等によりさらに長くしてもよいです。
- 【教師】映画の書き起こしを探します。
※「(映画名)movie script」で検索すると見つかることが多いです。
- 【教師】学生の母語が分かる場合、オリジナルの日本語と学生の母語の吹き替え版で、大きく異なる箇所があるか探しておきます(下記「4. まとめ」のため)。
- 【学生】辞書を用意することが望ましいが必須ではありません。
2. ウォーミングアップ
- 【教師】選んだ映画のテーマやあらすじ、役者について話し、興味をひかせます。
- 【教師】日本語の書き起こしのコピーを配り、数分間で読ませます。また、映画のどの部分かも考えさせます。
- 【学生】日本語音声で映画を見ます。
※この時、日本語の書き起こしを追いながら映画を見るようにします。
3. アクティビティ
- 【教師】以下のタスクを提示します。
あなたは日本の映画会社でインターンをしています。自分の国に日本映画を宣伝するタスクを任されました。まず共通の母語を持つ他のインターン生とペアになり、辞書を使いながらある映画の一部を母語に翻訳してください。翻訳が終わったら他のインターン生ペアと翻訳したものを比べてください。
- 【学生】 母語の翻訳を付けて、今度は吹き替え版の映画を見ます。
※この時、自分たちの翻訳を見ながら映画を見るようにします。
4. まとめ
- 【教師】質問を投げかけ、フィードバックを行います。
- 学生の母語での吹き替え版で、オリジナルの日本語音声と大きく異なる箇所がありますか
- 学生の母語での吹き替え版で、自分が翻訳したものと大きく異なる箇所がありますか
※教師が事前に見つけておいた箇所をまず示してもよいです。
参考文献
- Kerr, P. (2014). Translation and own-language activities. Cambridge University Press.
こんな先生・活動にお勧めです!
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映画を使ったちょっとした活動をしてみたい先生にお勧めです。映画という動画教材を使うことで、映画内のコンテクストやニュアンスから視聴覚的なヒントを得ながら表現を学ぶことができます。クラス内に共通の母語を持つ学生が多くいる場合におすすめです。