日本語を使って他言語を解読してみよう

アクティビティのねらい・概要

ねらい

このアクティビティでは日本語の知識を使って、他の言語を読み解いてみます。

様々な言語間で類似した単語があることを知り、他言語との繋がりを実感できる活動になっています。                              

概要

目標
  • 日本語の知識が他言語の理解に役立つことを知る。
  • 他言語の知識が日本語の理解に役立つことを知る
学生の日本語力 中級前半(B1)以上
その他の言語力 課題で使用する言語が理解できるレベル(話せなくてOK)
所要時間 1時間半~
おすすめクラス 母語が多様なクラスで実施するのがおすすめ!

手順

ロードマップ

1.事前準備

  • 【教師】下記「2. ウォーミングアップ」「4. 推測タイム」の下準備として、他言語で、日本語の単語と似ているものを収集します。

※なるべく判別しやすい単語を選ぶと、学生が推測しやすくなります。

2. ウォーミングアップ

  • 【教師】ある一つの単語を様々な言語で見せ、それぞれがどの言語か推測させます。
  • 【学生】ペアでどの言語か話し合って当てます。
  • 【教師】答え合わせをし、”Intercomprehension”=「習っていない他の言語でも何とか理解できる力」という考え方について伝えます。

※言語間で似ているところ、また類似性のために新しい言語でも理解できることがあることを強調します。

3. アクティビティ:似ている単語を考える

  • 【学生】自分の知っている言語(日本語以外)に、他言語と似ているものがあるかどうか話し合います。

4. 推測タイム:どの言語が由来か当てる

  • 【教師】借用語の説明をし、様々な言語からの日本語の借用語を見せます。
  • 【学生】ペアまたはグループで、それぞれの借用語がどの言語から由来していると思うか話し合います。

※実際に学生に見せるときは、スライド上にある()内の、由来元の言語は見せません。

5. メモタイム:日本語の借用語をリストアップする

  • 【学生】知っている日本語の借用語を書きだし、ペアまたはグループで単語と意味を共有します。
  • 【学生】新しく学んだ単語をメモします。

6. 解読タイム:意味を推測する

  • 【教師】以下のタスクを提示します。

今あなたは台湾旅行中で、ある小さなレストランに入りました。店内の掲示物を見て何と書いてあるか解読してみてください。

  • 【学生】 以下の作業をします。
  1. 推測できる単語に丸を付けます。
  2. 文章がどのような意味か推測して、ペアまたはグループで共有します。
  3. 日本語の同じ意味を表す文章を見て、単語を見比べます。

※掲示物の実際の意味は、「店内の人手不足のため、長時間お待たせすることがありますが、ご容赦ください。」です。

7. まとめ

  • 【教師】以下の質問をして、考えさせます。
  1. 日本語の知識は他の言語を理解するのにどう役立つと思いますか。
  2. 他の言語の知識は日本語を理解するのにどう役立つと思いますか。

参考文献

こんな先生・活動にお勧めです!
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学生に、日本語を学ぶことで広がる可能性について知ってほしい先生にお勧めです。学生は活動を通して日本語の知識で他の言語も理解できることがあること、また他言語での知識が日本語理解の助けになることを経験できます。また、言語学習や複数の言語知識は相互作用があることを実感できます。