アクティビティのねらい・概要
ねらい
このアクティビティでは、複数の言語でグローバルリーダーのスピーチを分析します。
日本語を通して他言語について知るとともに、日本語で自分の言語・文化について伝える力を養える活動になっています。
概要
目標 |
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学生の日本語力 |
中級後半(B2)以上 |
その他の言語力 |
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所要時間 | 4時間 |
おすすめクラス | 言語文化背景が多様な大学生向けの語学クラスや、日本語母語話者とやるアクティビティとして取り入れるのがおすすめ |
手順
ロードマップ
1.スピーチの分析例の提示
- 【教師】スピーチを分析する際のポイントを簡単に紹介します。
以下のような分析ポイントがあります。
- 内容(何を言っているか)・長さ
- 言い方(どう言っているか)
- モダリティ表現(「だろう」「ようだ」「かもしれない」などの文末表現)
- 人称代名詞(”we”や”they”が誰を指すかなど)
- 敬語の使用
- 方言の使用
- ジェスチャーや顔の表情
- 使用している形容詞・副詞
- コードスイッチング(他の言語の利用)
- 【教師】例として、日本語のスピーチを見せ、上記のポイントに沿ってどう分析できるかを説明します。
2. タスクの提示
- 【教師】学生を3人のグループにします。できれば母語が異なる学生でグループを作るようにします(※日本語母語話者も1人いるといいです)。以下のタスクを与えます。
自分のよく知っている国・地域の3名のグローバルリーダーのスピーチを比較して、それぞれのリーダーがどのようなリーダー像を作っているのかを考えなさい。
※できれば3人が違う言語がいいです。日本語のスピーチも1つ入れてください。
- 【学生】各自、グループで話し合いたいリーダーのスピーチと原稿を探し、他のグループメンバーと共有します。
- 【学生】ディスカッションの前に、全員が他の学生が選んだリーダーのスピーチの動画と原稿も確認します。
※自分がわからない言語のスピーチの場合、翻訳ソフト等を使って内容を確認し、わからないところについて質問などを事前に考えておきます。
3. ディスカッション
- 【学生】上記のグループになり、分析ポイントに沿って、各リーダーのスピーチを分析します。1人のリーダーにつき30分ずつなど時間を区切ってやるといいです。
- 【学生】分析・比較した内容をパワーポイントなどにまとめます。
4. 発表
- 【学生】グループごとに発表し、質疑応答の時間も設けます。
- 【学生】活動を振り返り、学んだことや感想などを簡単にまとめます。
参考文献
- Gee, J. P. (2010). How to do discourse analysis: A toolkit: A toolkit. Routledge.
- Gyogi, E. & Iwasaki, N. (2024) Reading culture from world leaders’ speeches: plurilingual and pluricultural education in an english-medium university in Japan. Paper presented at the 21st AILA World Congress in Kuala Lumpur, Malaysia.
こんな先生・活動にお勧めです!
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この活動では、複数の言語のスピーチを日本語でディスカッションしながら分析するので、日本語を通して他の言語について知ることができます。
また、母語が異なる学生をグループにすることで、自分の母語がわからない学生に、日本語で母語について伝える力も身につけることができます。
各自が選んだリーダーについては自分がリーダーシップをとって分析する必要があるため、積極的なグループワークへの参加を促すことができます。
日本語母語話者と一緒にやる活動としてもお薦めです。