「ことはな」について

「ことはな」とは

「ことはな」の目的

「ことはな」は、日本語教師向けに、翻訳をはじめとする複言語を用いた活動を紹介するサイトです。

このサイトでは、今まで(主に他の言語で)紹介されてきた複言語活動を日本語クラス用にアレンジした案や、独自の複言語活動案を紹介しています。

クラス活動の一環として、複言語を用いた活動を取り入れたいという先生方のお役に立てれば幸いです。

本研究はJSPS科研費20K13079の助成を受けたものです。

「ことはな」に込めた思い

「ことはな」は「ことば」×「花」をかけ合わせています。

学生も教師も、一人一人がそれぞれのことばを使いながら、それぞれの個性の花を育て続けてほしいという思いを込めています。

このサイトの使い方

活動を探す

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アイディアを共有する

「こんな複言語タスク・活動のアイディアもある」「他の先生方のために共有してもいい!」という方がいらっしゃいましたら、「お問合せフォーム」からぜひアイディアをお知らせください!

「ことはな」の経緯

経緯

サイト運営者の一人である行木は、2012年から複言語・複文化能力を伸ばすための翻訳活用法について、実践研究を積み重ねてきました。

言語教育における翻訳というと、文法訳読法のイメージが強く、「できるだけ使わないほうがいい」「コミュニケーション能力向上には役に立たない」と言われることもあります。ただ、行木自身が実務翻訳家として働いていたこともあり、「翻訳はもっと楽しいものなのにな」という気持ちが強くありました。

2009年にイギリスで修士課程を始めてから、複言語・複文化能力という考えを知り、翻訳をはじめとする複言語の活動が、現在の言語教育で求められている活動の一つだということを知りました。

ただ、既存の日本語教育の教材は、日本語を伸ばす方法については書いてありますが、上記のような複言語・複文化能力を伸ばすことを主眼にしたものはほとんどありません

研究の中で知った興味深い活動や自身の実践研究をぜひ多くの人に共有できればと思い、このサイトを立ち上げることにしました。

複言語・複文化能力とは

ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages(CEFR)」では、複言語・複文化能力の向上を言語教育の目標に掲げています。

複言語・複文化能力というのは、自分自身の持つ様々な言語文化資源を活用して、相手や場面に応じてコミュニケーションする力のことを意味します。

日本語学習者は、日本語だけでなく、自分の母語が話せます。母語以外にも様々な言語を使える人も多いです。日本語学習者の強みというのは、「日本語が上手」なことだけではなく、「日本語も〇〇語も△△語もできる」ということです。

例えば、上級の日本語学習者が、初級日本語学習者に対して、難しい日本語で話し続けたら、それは「コミュニケーションができた」と言えるのでしょうか。相手や場面に応じて語彙を調節したり、英語などの他の言語を適宜混ぜたりしてうまくコミュニケーションをとる力を育てることも必要です。

また、学習者が「日本語は日本語」「英語は英語」と言語を別に切り分けるのでなく、複数の文化・言語をつなぐ力を養うことも大切です。日本語も〇〇語も△△語も知っているからこそ、〇〇語で話す人の立場を日本語で説明したり、その逆もできることがあるはずです。

日本語教育の目的は、日本語能力を伸ばすことももちろんですが、上記のような相手や場面に応じてコミュニケーションする力や、相手の立場に立って考える力、ひいては言語や文化への寛容性も育むことが大切だと考えます。

About the site KOTOHANA

This website offers lesson plans, materials and other teaching resources for using mediation activities (especially translation) in the Japanese language classroom. The goal of this website is to support Japanese language teachers who wish to use mediation activities in the language classroom at all levels and in any context.

There is an increased need to develop students’ mediation and intercultural skills in language teaching. For example, the Common European Framework for Languages, one of the most influential language teaching frameworks in Europe and elsewhere, considers mediating languages and cultures as one of the essential communication modes, along with reception, production and interaction.

There are several research papers and reports that describe interesting mediation activities and projects. However, it is not always easy to read them through in detail. This site mainly ‘translates’ these papers and reports in a more convenient form, with some adaptation to Japanese teaching contexts as necessary. We cite references at the end so interested readers can refer to the original articles.

サイト運営者

行木瑛子
 

イギリス、レバノン、ベルギー、日本(東京・秋田・沖縄)で、日本語学校・大学・プライベートレッスン・ボランティア等、様々な形で日本語教育に携わってきました。東京の法律事務所で2年半ぐらい翻訳の仕事をした後、フリーランスの翻訳家として中東諸国や東南アジアを中期滞在しながら生活していたこともあります。

橋口萌乃
 

日本語教育の道を志し、日本語教授法について学んだり日本語を教える経験を積んだりしています。日本語学校・地域日本語教室やオンラインクラスで、子ども〜おじいちゃんおばあちゃん、学生〜社会人など、様々なバックグラウンドを持つ学習者と関わってきました。現在、北米でのキャリア構築に向けて準備中です。また、JFL環境の学習者が、より自然な会話のインプットを受けられる聴覚教材を開発中で、見て・聞いて分かる・楽しい自律学習ビデオを毎週アップロードしています。リンク:https://youtu.be/tPBVUrzck5M